私の逃亡記 - メキシコ編:永遠にたどり着けないピラミッド
前に、母が霊能者の方から、「娘さんはメキシコではピラミッドの自縛霊に気をつけたほうがよろしいですよ」的な、あんまり意味のないアドバイスをもらったと書いたけれど、なぜかいつもピラミッドにたどり着けないという点では、このアドバイス、当たらずといえども遠からずだったのかもしれない。ま、ティオティワカンだけは行ったけれど、一年後のカンクンでの楽しみにしていたピラミッド見物も行きそびれているし...
ってなことはおいておいて、週末は何をしようかという話になった時、例の美人のJちゃんから、「お友達(?)にピラミッドがある山へのハイキングに行こうって誘われているから一緒に行こうよ」と言われた。 ま、そこは割に近くて行って見たいなあって思ってたので、それじゃあってことで待ち合わせの場所に行って見たら、なんとそこで待っていたのは...
先週のマリファナ売りのおじさんと、そのお友達のひょろっとしたメキシコ人じゃあないですか!
後日、美人のJちゃんはどこに行ってももてもてでいつもメキシコ人男性から声をかけられるって知ったのだけれど、よりによってこのおじさんとお友達にならなくっても...
こんなところで帰りますって言いたくっても、帰りのバスもないし...
ま、さいわい、この日はマリファナの籠は持ってなかったし、吸ってる様子もないし、ハイキングくらいしたって害はないか。
まあ、のどかにおしゃべりなんぞをしながら歩き出してしばらくすると、分かれ道に出た。あれ、遺跡への道は右のはずなのに、どうして左に行くのさ。
っと思って聞くと、ひょうろっとした方が、「いや、こっちはほんの少し遠回りなんだけれど、途中でいろいろないい景色のところがあって絶対にこの道のほうがいいから」とのこと。
右の道だと2時間ちょっとのコースが、ま、山の裾野をまわって3時間くらいになるかなとのこと。
それじゃあと歩き出したのだけれど、歩けど歩けどなにもなくってどこにも行き着かない!
「まだなの~」というたびにAlmost(もうすぐだよ)って英語で答えるんだけどさ、メキシコ人のAlmostは信頼しちゃあいけないのねってその時に思った。途中で休憩もとりながら延々と歩き続けること6時間近く、結局遺跡らしいものはなにもないまま、夕方になって、結局隣町まで歩いてしまった!
なんでここが隣町だってわかったかっていうと、話しているうちに様子が変ってきて、今夜は隣町で楽しいパーティーがあるから、是非一緒に来るようにという話になった。
さらによく聞くと、「パーティー」っていうのはまあ、例のおじさんが使っている言葉で、実際は、鉄道の駅でちょっとした抗議活動のストライキがあるらしい。
どうしてストライキがパーティーになるのかというと、結局は、飲んで歌ってのどんちゃん騒ぎになるからとのこと。ま、その頃にはやっと隣町に到着して、バス停も調べて帰りのバスの時間があることも確認。やれやれ。
パーティーと聞いてJちゃんは心を動かされている様子だったけれど、冗談じゃない。こんな怪しげな人達と6時間も歩かされたあげくに結局ピラミッドも見そびれてくたくただし、もう私は一人でも絶対に帰りますっ!(ってか、当時の私はおとなしいと人からは思われていたのだけれど、こういうとこはしっかり自己主張して絶対に譲らない)ってことで、バス停から一歩も動かなかったから、おじさん達もJちゃんもあきらめた様子。Jちゃんももともと、「え~、こんな知らない人達と一晩パーティーに付き合っても大丈夫かなあ」って様子もあったので、私が帰るといったら、じゃあ私も、ということになって、二人で仲良くバスで帰って来た。
戻ってマルタにその話をすると、「よかったわあ、帰って来てくれて。ああいう人達って夜になってお酒が入ると態度が豹変するから、そういうパーティーはとっても危ないのよ」とのこと。
まあねえ、もともと残るつもりはなかったけどさ、ちゃんと帰りのバスがある町で本当によかったこと。
それにしても、鉄道の駅でのストライキなんて、まるで「100年の孤独」(って名前だったっけ、ガルシアなんとかって人が書いた有名な文学作品)の世界じゃないですか。スペイン語学科の学生だったJちゃんの夏休みの課題本だったとか。
でもなあ、いったいどんな「パーティー」だったんだろう?
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「メキシコ編:ペザント・ダンスパーティー」に続きます。
- [2009/05/30 09:12]
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コメント
まさか、マリファナのおじさんが
Jさんのお友達だったなんて(笑)!
意外な展開でびっくりしました!
しかもピラミッドに辿りつけない所か
パーティ=ストライキだったなんて(笑)
本当、てきと~・・・ですよね(笑)
でもsakulanboさんの帰るっていう選択
絶対正しかったと思います!確かに
どんなパーティだったか少しだけ気になりますが…(笑)
peach様
おしゃべりしながら山道を歩くのは
楽しかったのですけれど、なんか
太めで美しくないのに長髪の男性って
苦手でした。なのでもう一人の人と
おしゃべりしてたんですけど。
パーティー、お酒プラスαのどんちゃん騒ぎ
だったんじゃないかと思います。
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